今日本で一番人気のFPSバトロワといえばAPEXです。APEXにも他の人気ゲーム同様に大会がたくさんあり、そこでは プロゲーマーたちがしのぎを削って実力を競い合っています。毎日毎日長時間の訓練をして大会に臨むプロゲーマー達の戦いはさぞ人気があるんだろうと思うところですが、ところがどっこい人気無いんですね。プロ達はスクリムと呼ばれるプロ同士の練習試合を頻繁に行っていますが、視聴者は少ないです。人気配信者のカジュアルプレイの方が人気です。なぜか?それは単純に見ててつまらないからです。プロは勝つためにゲームをプレイしています。プレイ中のチームメイトとの会話は全て勝つために必要な情報の共有のみです。惨敗しようものなら悔しさから雰囲気は悪くなります。プロゲーマーは勝つことを目的としています。視聴者を楽しませることを目的としていません。ゲームの世界では当たり前のことなのかもしれませんが、私はそれってプロか?と思うわけです。
レスリングという競技があります。レスリングのプロをプロレス( プロフェッショナル レスリング )と呼びます。プロレスのルールはレスリングの競技ルールとまったくかけ離れたものです。何故か?それはレスリングが見ててつまらないからです。オリンピックのような自国の威信をかけただの国の誇りだのというナショナリズムあって初めてちょっと見ようかと思えるようなスポーツなので、客を呼んでお金を稼ぐためにはルールを大幅に変えて見世物として魔改造するしかなかったのです。
APEXにはCRカップを代表とするタレントやVtuberを引き込んでのお祭り大会があります。プロの試合と比べるとゲームプレイのレベルはがくっと落ちますがそちらの方が断然人気が高いです。何故ならそちらの大会に出場する人たちは視聴者が楽しめるようにゲームをプレイするからです。常にトークをして場を楽しませます。ゲームで負けても雰囲気を悪くしないように配慮します。和気あいあいと楽しんでいる方が見ている側も楽しめるのです。なのでそういったお祭り大会のほうがプロの試合と比較にならないほど視聴者を集めます。
…だったらそっちの方がプロでは?と思いませんか。APEXのプロと呼ばれる人たちはアマチュア競技者でしかないのでは?たとえばCRカップでプロの実力を見せ活躍するRasやsellyといった人たちはオリンピック柔道で銀メダルとってからプロレスで橋本真也と試合した小川直也のようなものではないでしょうか。橋本真也vs小川直也の会場は東京ドーム、テレビ朝日でゴールデンタイムに生中継されました。ガチンコでポイントを争う柔道より、スペース・トルネード・オガワを連発するプロレスの方が視聴者は寄ってくるのです。お金を稼げる方がプロであるとするならば、レスラーではなくプロレスラーがプロです。そしてAPEXではプロゲーマーではなく、お祭り大会に出るVtuber達がプロということになります。